コンタクトレンズ感染
コンタクトレンズは、高度医療管理機器です。使い方を間違えると失明に至る場合もあります。特に感染症は、眼の細胞の壁を壊す毒素により、角膜を溶かしてしまいます。ばい菌の増殖はとても速いため、コンタクトレンズの感染症には、早急な対応が必要になります。眼にもばい菌がいるので、コンタクトレンズを付ける行為は、どうしても感染症のリスクを負うことになります。通常角膜の上皮と言うバリアーがあるため、感染は生じにくくなっていますが、角膜上皮の障害があると、感染のリスクが高くなります。我々眼科医は、感染して悲惨な目にあってしまう患者を一人出も減らしたいと、感染予防の啓蒙活動を行っております。
感染予防①コンタクトレンズを入れる前に手を洗いましょう
手にばい菌がついています。細かいことを言うと蛇口にもついています。眼にばい菌を入れないよう心がけましょう。
感染予防②装用時間は短めに
長時間使用は、感染のリスクが高まります。酸素透過性も装用時間が長くなるほど落ちてきます。角膜に栄養が十分に行きわたらないことによる障害もあります。
感染予防③コロコロしたら感染かも
ばい菌感染の初期は違和感や、コロコロする感じです。この時点でコンタクトレンズを外して、眼科を受診すれば、重度の合併症を避けれる可能性が高いと考えられます。その際、眼鏡がないとコンタクトレンズを外さずに、装用したままにしてしまうようなケースもあるかと思います。お守りのように眼鏡も経に持参しておくことをお勧めします。
感染予防④ドライアイに注意
コンタクトレンズは涙の上を滑っている構造なので、涙が不足している眼では、こすれて角膜上皮障害を生じ、感染のリスクが高まります。また眼の形も重要で、コンタクトレンズに合わない場合は、コンタクトレンズが角膜上皮を削ってしまう場合もあります。コンタクトレンズは誰でも出来るわけではなく、避けた方が良い方もいらっしゃるのが現状です。
感染予防⑤カラコンに注意
カラーコンタクトレンズ(カラコン)は10代から20代に多く使用されていますが、視力が良好な人もいるため、眼科を受診しない場合が多いというデータがあります。安いカラコン、特に海外からの輸入製品は、高含水などと詠っている製品でも、基準値に満たない、酸素透過性も不良なものが多くあります。このような質の悪いレンズで眼を痛めるのは良いことではありません。眼に触れるものなので、安心して使用できるレンズを選んでいただきたいと思います。
感染予防⑥定期検査をうけましょう
定期検査を受けることで、角膜上皮障害や、コンタクトレンズのサイズやカーブが眼にあっているかどうか、涙の量、角膜形状などをチェックすることが出来ます。自分が感染のリスクが高いかどうか確認することも重要だと思います。出来るだけ患者様の希望に沿うようなコンタクトレンズを供給出来るよう努力します。